「判断力」の磨き方

感情に流されて正しい判断ができなくなってしまうbonlifeです。「常に冷静かつ客観的な選択をする技術」というサブタイトルに惹かれて、この本を買ってみました。
一文でまとめると「自分や自分が所属する集団がどういう考え方をする傾向にあるのかを意識して、それに捉われない判断をすることが重要」って感じです。もう1点付け加えるなら、「過去の失敗から学べ!」ですかね。

「判断力」の磨き方 (PHPビジネス新書)

「判断力」の磨き方 (PHPビジネス新書)

だいたい以下のような内容でした。(気になった点のみ抜粋。)

  • 序章 なぜ、頭のいい人が「判断」で失敗するのか?
  • 第1章 人の判断をゆがめる「不適応指向」を知る
    • 「二分割思考」がトップの「裸の王様」状態を作り出す (ほとんどの人間はグレーゾーンの範疇)
    • 「完全主義思考」ではなく、100点満点の中で何点取れるか、が重要
    • 読心による勝手な思い込みはダメ (人の心を読むのは難しい)
  • 第2章 認知心理学から見た「判断ミス」
    • スキーマ」(物事を認知するときのパターン)に縛られない思考も必要
    • スキーマの重要性を知るとともに、自分のスキーマを疑ってみることも大切
  • 第3章 「集団心理」を知ることが判断ミスを予防する
    • 大勢で議論し、よりリスクの高い結論を導いてしまう「リスキーシフト」にご注意
    • 集団になると、人は他人に依存する傾向が強くなって手を抜くようになり、考え方の深さが減ってくる (「集団的浅慮」)
  • 第4章 「判断力」を高める実践手法
    • 心理学を知って、判断ミスを避ける (ミスした場合のリスクも最小化する)
    • 失敗情報を集めて研究する
    • メタ認知 (自分の「認知パターン」を認知すること)
    • 自分を知り、自分を改造していける人が、判断力を磨いていくことができる
  • 第5章 事例から学ぶ「判断力」
    • 感情を無視してはダメ (M&Aの失敗事例)
    • 「同調」という集団心理的なダイナミズムは危険 (自治体の裏金)

ブレーンストーミングでは、その場の他人の意見に引きずられて画期的な意見は出ない、という説明にはすごく納得。人のアイディア聞いてると「それイイネッ!」てなって、その案をベースに検討を進めたくなっちゃう罠。他にもいくつか「あぁ、そうそう。そういうのありますよね。」って例が出ていて、読みやすい本です。ただ、ちょっと内容が薄いかな。第5章では、様々な失敗事例をもとに判断ミスの原因について考察。ふーん。そういうことね。」と納得できる内容でしたが、「その発想はなかった!」っていう斬新な切り口での考察はなかったなぁ…。ちょいと残念。
どうでも良いことですが、「スキーマ」って言葉は響きが良いので今後会社で多用していきたいですね。ただ、Oracleスキーマと混同されて話が伝わらなそう。うーむ…。