ビジネス法則の落とし穴

風呂に入らずに転寝をして節々が痛いbonlifeです。最近創刊されたばかりの学研新書の一冊。「ウェブ2.0なんて妄想だ!」なんて帯がついてて、なかなかに攻撃的。

ビジネス法則の落とし穴 (学研新書)

ビジネス法則の落とし穴 (学研新書)

著者の基本的なスタンスは、最近になってウェブ2.0の波の中で新たなビジネス法則めいたものがもてはやされるようになったが、それらは「既存のビジネス法則の枠に収まるもの」、「近視眼的な思い込み」のどちらかなんだぜ!って感じです。実は全く新しくない、という考え方。そして、そもそもビジネス法則は常に成り立つものではないので注意せよ、的なことについても随時触れてます。
ロングテールの法則」は、「80対20」でお馴染みの「パレートの法則」を乗り越えた!なんて一時は言われたが、実際にはロングテール市場でも「パレートの法則」は当てはまる、とアンダーソンも言ったとかなんとか。SNSについて触れる部分では「いまのSNSブームは、むしろインターネット・コミュニケーションの原点への回帰とみたほうがいいのかもしれない。」とか。
ビジネス法則を50個も取り上げているので、1つ1つの内容はどうしても薄くなってしまい、ところどころ物足りない感じはあります。ただ、数が多いので、今まで全く聞いたことがなかった法則もあり、勉強にはなると思います。というより、なりました。というより、これから勉強するための参考になりました。会社でもたまに出てくる「成長率・市場占有率マトリックス」なんかも扱われていたり。とりあえず、「パレートの法則」の説明は結構丁寧です。
Amazon.comGoogleSNS などのウェブ2.0的なもの(を信奉する人々)に対する異常にアンチな書き方が引っかかるところはありますが、ビジネス法則を知ったかぶりするためにはナイスな本だと思います。最後に「それを言っちゃあオシマイよ…。」っていう部分を引用しておきます。

そして、本当に「ビジネス法則」があるとすれば、どのような法則が勝利しようとも、それはたかだか一時の勝利にすぎず、さらに果てしない企業間の戦いが延々と続けられてゆくという法則だけである。

それはそうと、ウェブ2.0って書き方が引っかかるなぁ。Web 2.0 の方がシックリくる。