ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学

最近、はてダの商品検索で再検索を促されることが非常に多い。大丈夫?とか思ってしまったbonlifeです。

ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)

ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学 (光文社新書)

面白おかしくSEとその仕事を馬鹿にした本。でも、全体的にSEに対する優しい眼差しが感じられるマジック!新人SEにもオススメしたい書籍です。新書の割にはかなりライトなノリです。
あとがきに以下のような記述があります。

ところで、本書をSEの人が読んだらと思うと、ぞっとするほどである。そんなことはないと思うが、何かの錯誤で本書を手にしたSEの方がおられた場合、「まあ、こんな奴いるよね。俺は違うけど」といった心構えで読んでいただければ僥倖である。

これ、絶対嘘だろ!と思いましたね。ユーモアの一種かしら。どう考えてもSEが読むことを前提に書かれてます。本当にありがとうございました。
少しだけ内容の紹介。本は三部構成。

  • 第一部 SEという人々
  • 第二部 SEと仕事するということ
  • 第三部 ユーザとSEの胸のうち

第一部での開発系SEと運用系SEの対比は面白い。面白いけど、笑えない。運用系は評価されないし、モチベーション上がりません。うちの会社でも、外注している運用担当SEのモチベーションを無理矢理上げさせるために、運用業務効率化のための改善を自主的に考えてもらったりするのですが、だいたい上手く行かないです。運用SEは「改善!改善!」ってVBA使ったツール作ってくれたりするんですが、ノリで作って仕様書は後からだったりして。当然、テストケース作ってしっかり検証!なんてしてないので、かなりの精度で使えるツールであっても「使わないでください。余計な工数使わないでください。」的な内容をやんわりと伝えざるを得なかったりします…。っと話が逸れました。「どんな仕事でも工夫次第で面白くなるし、創造力や創意工夫を発揮することができる、とは生業に就くものとしての至言であるが、さすがにこのような職場では創造力を発揮するのは困難である。」(P.73)ってことです。また、P.43のSOX法に触れている部分やP.68の「個人情報保護法」について語っている部分があるのですが、非常に共感。(ペーパーレス化は進まず、紙資料が増えたり、ユーザをまもるための法律に従うことで、ユーザが使い辛いシステムになったり。)
第二部はシステムを発注する際にこうすると良いよ、って話。簡単にまとめると「SEの専門用語にまどわされずに、分からないことはちゃんと確認しながら、要望をしっかりと伝えましょう。」って感じかな。こういうのがSEじゃない人に浸透すると良いですよね。最初の要求定義の時にズレがあったり、要求が漏れていたりすると後々大変なんだよ、ってことを皆さんに知っていただきたい。「ソレくらいの変更、すぐできるだろ!」と思う方も多いと思いますが、システム開発は滝のように上から下に流れるので、上に戻るのはすんごく体力使うんですよね。
第三部はおふざけ。読み物としてエンジョイしたら良いと思います。
ということで、今日もSE(もどき)として一日頑張ります!