新卒で入社して6年

新卒で入社して一年」とそれに対するブクマを読んで、入社して3年目の頃の気持ちになったbonlifeです。あらためて丸6年が経過しようとしている事実にビックリですよ。頑張らなきゃ!とりあえず、自己紹介と近況報告、今後の抱負をまとめたエントリーです。

入社、そして給料泥棒疑惑

私の場合、文系(文学部)出身なのに間違って大手メーカーの社内システムエンジニアになってしまいました。1、2年目は劣等感の塊でただただしんどかったです。たまたま配属された組織がちょっとアレなところで、圧政が敷かれていたので、精神的にもキツかったなぁ…。3年目ぐらいになって少し心に余裕が出来て、あらためて冷静にまわりを見渡してビックリ。凡庸な人が意外と多い。8割ぐらいは凡人(っぽいやや変人)。残りの1割がキレモノで1割は使えない人…。最初の頃、専門用語が飛び交って難しそうな話してるなぁ、と思っていた会議の内容も、実際には製品名、社内用語(主にシステム名)とQCDの話のみ。技術的な話は滅多に出ない。技術的に難しそう(≒面白そう)なところは外注に丸投げ。仕事の内容を理解すればするほど、イメージしていたシステムエンジニアとは全く違っていましたよ。まぁ、よく仕様を考えるのがSEで、プログラマがそれを実装する、とか言いますけど、うち(現所属のチーム)の場合は仕様も外注にまかせて、社員は「OK」か「NG」だけ判断してる感じ。それ何て給料泥棒?

メーカー社内SEの仕事の実態 (私のまわり)

まぁ、給料泥棒に見えるわけですよ。そして自分は何も生み出していないのにうっかりしたら外注の人より多く給料をもらっているかもしれないわけで。でも、本気でやろうとすると「OK」、「NG」の判断しながらQCDの全てを達成させるのはすごくすごく難しい!社員ほぼ全員がプチプロマネ状態。依頼部署からの要望を受けて、重要度を判断して、スケジュールを引いて、開発の進捗状況をチェックして、テスト仕様書の内容をチェックして、本番導入予定日を調整して。このそれぞれに「人」がいるわけですよ。コミュニケーション、コミュニケーション、コミュニケーションです。それぞれの人の都合をちゃんと理解した上で、適切な判断をする。たったこれだけのことがどれほど難しいか! (この難しい仕事を上手くまわせずに、そんなとこまで外注さんにまかせちゃうの!って人も多いですが…。) ここで学べることは色々あるし、それは外でも通用することなんだな、って実感できたのはつい最近のこと(苦笑)。技術的なことよりももっと根源的で普遍的なこと(人と人の関係が生み出すダイナミズム的な何か)を学べそうな予感。だから私は会社を辞めません。

でも、やっぱりぬるま湯

まぁ、なんだかんだ言っても、本当に開発の最前線でコード書いてる人たちに比べたら早く帰れることが多いです。社員の調整不足がそのまま外注の方々にクシャクシャっとしわ寄せちゃってたりすることも多かったり。そんな時でも早く帰ります。良くも悪くも表面上は役割分担が明確になっているので、社員がすべきことが残っていなければ社員は帰るわけです。 (と言っても、前述したように本来社員がすべきことまで外注に…。) 業績評価に成果主義が導入されてるって言ってもなんだかすごく適当ですので、諸悪の根源を生み出した社員は痛くも痒くもなかったりして…。つまり、社員が責任を果たしていない。この点については外注の方々に対して本当に申し訳なく思ってます。せめて自分が担当した案件に関しては、できるだけ適切な前捌きをおこなって外注の方々が気持ちよく仕事できるお膳立てをしたいと思います!(キレイゴト)

コーディング

本来、SEはプログラマの人がやってることの8割ぐらいは理解できないといけないと思います。 (なんとなく8割。) 案件の規模(概算工数)を見積もって、人材を手配しなければいけませんし、プログラマのやり方が適切か、もっと別のやり方はないか判断できた方が良いです。でも、実際にはコーディングできないSEは多い!!これは世代にもよるみたいで、SE歴が長い人は、たいていプログラミングを経験してますが、ある程度システム開発が本格化してからは、外注が増えて社員はコードを書かなくなったようです。入社してから1行もコードを書かない、なんてことも少なくないはず。SE歴が長い人もJavaは×だったりしますよね。Cももう忘れている人が多そう。
なんだかんだで現場で何が起きているのかは雰囲気勝負…orz ということで、雰囲気勝負にならない程度には勉強していこう、と努力しているbonlifeです。(まだまだ努力不足ですが…。)

技術、技術、技術

技術は大切。でも、正直、経営層も現場もあまり技術に興味がないのが現実。「技術の向上」とか色々な場面で言われますが、なんか業務ともマッチしないし、現実味がないんですよね。社員がどれくらい技術に興味がないのか、って言うと「Ruby」がプログラミング言語の名前だって知らない人が半分ぐらいいそうなくらい。RSSリーダーを活用している人が2、3割くらい。って言い過ぎかな。結局、QCD・セキュリティ・コンプライアンス(SOX法対策含む)に直結しないことには興味ないんですよね。(あ、そういや、品質!品質!って言う割にはソースコードのレビューもしないよな…。部署に寄るんだろうけど。)
はてな界隈では、「IT技術の向上をエンジョイする」のが当たり前っぽい雰囲気がありますが、会社ではそういう人は少数。(少なくとも会社ではそういう顔を見せない。) 大手SIerが金の匂いをかぎつけて売り込んできて、経営層がハマると一気にトップダウンで組織の目標になったりする可能性はありますけど、それはそれ。「何?SOA?部品を組み合わせるようにして開発するので、QCD全てが向上するのか!フムフム。」とかそんな感じで、Web2.0には反応せずにSOAに反応する不思議。
まぁ、そんな組織にいてもSIerの手垢がつく前のキラキラしたIT技術に触れていたいなぁ、ということでネットと戯れる日々。

anondさんへ

たぶん、ベンチャー指向の人と大企業に入る人の間にはそもそも埋めようがない溝がある気がします。anondさんは、なんとなくネット上に流れている最新技術ネタと自己啓発系のエントリーに刺激されて、「うわ、何かマズイよ。がんばろ! (中略) ま、でもそんなに頑張らなくてもなんとかなるしな。っていうかなってるし。あぁ、明日は定時に退社して買い物して帰ろ。」(これいつもの私の思考経路です、はい。)ってなってるだけのように読めるので、大企業に居座った方が良いと思います。スピード感も全く違うと思うんですよ。成熟してない技術は大企業ではなかなか受け入れられないので、先端を突っ走ってもハッキリ言って無駄(になることが多い)です。今そこで学べることは何か、一度見つめなおしてみてはいかがでしょう。色々発見もあるはずです。

最後に

メーカーSEの皆さん、がんばりまっしょい!(ITIL導入とか、SOX法対策とか、情報セキュリティ対策の強化とか、仮想化によるコストダウン検討とか、とか、とか。)

追記

これ読んで「転職考えろ」とか言ってるやつってアホだろ - I 慣性という名の惰性 I

「もともとあるシステムを問題なく回す」ってのは、ものすごいノウハウの塊だと僕は思う。

これは「確かに。」と思った。(参考 : 「確かに」←これすげぇ便利な言葉:VIPPERな俺)